ドローンを使った建物点検や屋根・外壁の赤外線調査が注目を集めています。
ただし、まだまだ実例も少ないため、ドローン調査と他の調査方法との違いがよくわからない、といった声も耳にします。
今回は皆様からいただくさまざまな疑問・質問をピックアップし、メリット・デメリットも含めて詳しくお答えします。
ドローン赤外線調査について、知っていただく絶好のチャンスです!
Q:ドローンによる外壁調査実施までに必要な日数はどのくらいですか?
国土交通省への申請から、飛行許可が下りるまでに2週間程度必要です。
航空法で定められているドローンの飛行制限区域や、夜間・目視外・人や物から30m以内の距離で飛行する場合、事前に国土交通省へ飛行許可申請を行わなければなりません。
申請方法は大きく分けて「包括申請」と「個別申請」の2種類があります。個別申請とは、特定の日にち・飛行経路におけるドローンの飛行が「1度のみ承認される」申請方法です。
包括申請は、「期間包括申請」と「飛行経路包括申請」に分類されます。
「期間包括申請」では一定期間内に同じ場所で繰り返しドローンを飛ばすことを申請できます。
「飛行経路包括申請」では、複数の場所における飛行許可の申請を1度にまとめて行うことができます。飛行経路が明確でなくても、ある程度の範囲(県や市全域など)まで把握できていればこの申請方法を利用することができます。
ただし、包括申請では許可されていない飛行があります。
以下はその一部です。
・高度150m以上の飛行
・高速道路、一般道路、鉄道の上空
・人口集中地区(DID地区)での目視外飛行
・学校・病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空
これらは別途個別申請が必要となります。
国勢調査において設定された人口集中地区(DID地区)内の場合、国土交通大臣の許可を得ない限りドローンを飛行させることはできません。
人口集中地区でも包括申請による許可を得ることができればドローンの飛行は可能ですが、目視内(肉眼でドローンを確認できる範囲)飛行に限定されています。
目視外(建物の裏側など、操縦者が肉眼でドローンを確認できない範囲)飛行をさせるには個別申請による許可が必要となります。
また、建物、人、車から30m未満の飛行にも許可が必要です。調査対象の周辺環境によっては申請を出すか、もしくは道路使用許可を取って車や人の往来を制限する必要があります。
このように、包括申請により飛行許可が得られている場合でも、ドローンによる外壁調査を実施するにあたって、ほとんどの場合に個別申請が必要となりますので、調査可能となるまでには時間がかかります。
Q:ドローン外壁調査のメリットとデメリットは?
現状では、ドローン搭載の赤外線サーモグラフィカメラよりも、地上据え置き型カメラの方が高精度であることも事実です。
ただし地上からの撮影の場合、空きスペースなど周辺の環境によっては適切な角度からの調査撮影が困難なことがあります。
特に日差しの当たらない北側の壁面は温度の差が出づらいため、精度の高い調査ができません。
このようにさまざまな理由から、建物のうち一部についてはどうしても赤外線調査が十分な効果を得られないということもあるのです。
さらに、地上からの赤外線カメラ撮影よりも全面打診調査の方が精度は高いことも事実です。
ただし、全面打診調査には足場組みやゴンドラ設置が必要となるため、調査費が高額になってしまいます。
その点ドローンを使った調査では、これらの方法よりも費用をかけずに実施することができるというメリットがあります。
Q:ドローン調査の最適解とは?
スカイステージでは、高性能産業用ドローンMatrice300 RTKに搭載可能なZenmuse H20Tという可視+紫外線カメラを搭載して外壁調査を実施しています。
Zenmuse H20Tは、多くの対象物を画角内に収めることができる広角カメラ、遠距離からの点検作業等が可能な最大200倍ズームのカメラ、レーザー距離計、対象物の温度測定が可能で、夜間の調査や点検作業も可能な放射分析サーマルカメラを搭載した、クアッドセンサーモデルの高性能ドローンカメラです。
これ1台あれば複数のカメラを用意する必要がなく、多くの業務に対応できてさまざまなデータの取得が可能です。
ドローンによる調査は搭載可能重量などの問題もあり、高度なカメラを搭載しようとすると、その分機体の性能も上げざるを得ません。当然機体のサイズは大きくなり、コストも高くなることから、必然的に調査費も高額になっていくばかりです。
ドローン調査において質を最優先にすると、結果的に足場やゴンドラを設置した調査と同等の費用になりかねません。
ある程度費用を抑えて外壁の状況を全体的に把握するには、ドローンによる調査が最も有効な手段であることは間違いありません。
その一方で、ドローンによる赤外線調査が万全な調査方法ではないことも事実です。
費用と時間の効率面でドローンを使った調査をしない方が良い場合もありますし、調査の目的によっては、ロープアクセスやゴンドラなどを組み合わせた調査方法も考えることができます。
スカイステージは、このようにさまざまな状況に対応できるように、お客様にとって最適な調査方法を慎重に検討し、提案いたします。
Q:狭い空間でもドローン調査はできますか?
ドローン調査にはどうしても限界があるため、空間があまりにも狭小の場合はゴンドラかロープアクセスの方式で調査することになります。
人口密集地もある意味狭い空間ということになりますが、事故の可能性が高いことや、ノウハウを持っていないことからドローンによる外壁調査を請け負う業者はまだまだ少ない状況です。
調査対象物件の周辺環境によっては、ドローンの飛ばし方にも工夫が必要になります。
特に目視外飛行はドローンの機体ではなく、ドローン搭載のカメラが捉えた映像をモニターで確認しながら飛行させることになります。そのためには高度な技術が必要であり、経験がないとなかなかできるものではありません。
スカイステージではドローンスクールも運営しており、多くの建設業者や調査会社などのプロフェッショナル向けに、赤外線カメラ搭載のドローンを使ったインフラ点検や測量の実務者を養成する講座も開講して指導をしております。
また、目視外飛行まで教えるスクールが少ないなか、スカイステージのスクールでは積極的にレクチャーをできるほどの確かな技術と安全知識を持っています。これは安全にドローンを飛行させるノウハウに自信があるからこそできることなのです。
Q:調査報告書はどのような内容になりますか?
社内の赤外線診断士と建築士が調査結果を基に作成します。
調査の結果、すぐにでも処置が必要だと判断されるような緊急の場合、ご依頼があれば最短で即日の応急処置にも対応いたします。
マンションの大規模修繕に向けた事前調査方法の候補として、ドローンによる外壁調査をご検討いただける場合にはより詳しい説明をいたします。必要であれば資料の提出だけではなく、理事会や総会へ出向いて所有者ならびに入居者の方々に説明をいたします。
Q:すでに外壁タイルが剥落している等、緊急の処置が必要な場合にはどのような対応ができますか?
現場の緊急度に応じて対処法を提案し、処置にも対応いたします。
すでに外壁タイルが剥落しているという場合や、目視で把握できるほどタイルが浮いているなどの場合、大きな地震や台風などの災害が起きた場合、外壁が崩れてしまう危険があります。
このような場合は、ドローンで調査するよりもすぐにゴンドラや足場を設置し、早急に処置をすることをおすすめします。
ドローンを使った調査の手順を踏むと二度手間になってしまったり、無駄に時間と費用がかかってしまう可能性があるからです。
緊急と判断される場合は、全国どこへでも最短でその日のうちに伺うことができます。ただし、その時点で請け負っている現場の状況などによっては多少お日にちをいただいてしまう場合があります。
スカイステージが直接手配できる工事業者は以下の通りですので、必要な処置内容に応じて素早く業者を招集することができます。
・シーリング工事業者
・下地補修工事業者
・タイル工事業者
・防水工事業者
・塗装工事
・仮設足場設置業者
・長尺シート貼り業者
・雨漏り調査業者
また、社内には樹脂接着剤注入士が4名おりますので、物件ごとのタイル接着方式に応じて最適な処置をすることが可能です。
Q:ドローンによる外壁調査(赤外線調査)の実績はどのくらいありますか?
2021年のドローンによる外壁調査実績は年間100件以上 です。
参考までにその他の方式の実績をお伝えすると、ゴンドラ調査:約60件 、ロープアクセス調査:約30件、 足場設置調査:約50件です。
他人の身体や財産に危害を加えてしまうことは処罰の対象になる可能性があることから、ドローンによる外壁調査に対して消極的な声も聞こえてきます。
実際にドローン調査を行う会社も多くはありませんし、不動産管理会社やマンションの理事会でご検討いただいても、まだまだ採用のご決断に至ることが少ないです。
また、プライバシーの観点からも懸念の声が上がることがあります。
他社のドローンによる外壁調査では、近隣への事前説明不足からカメラで撮影されていると第三者に勘違いをされて、トラブルになってしまったケースもあるようです。
業界屈指のドローンの調査実績を誇るスカイステージでは、こうしたトラブルを未然に防ぎ、適切な手順で調査を進めて安全に調査を完了させます。
ドローンによる外壁調査に興味をお持ちの方は、スカイステージにぜひご相談ください!