私たちは大阪に拠点を置き、関西地方を中心に赤外線ドローンによるマンション・ビルの外壁調査業務を行っている一般社団法人スカイステージです。
マンションの外壁調査では、目視で確認できない上層階の外壁や外壁内側の劣化状況を確認します。外壁調査には大きく「打診調査」と「赤外線調査」の二種類のやり方があり、それぞれに得手・不得手がありますが、コストや施工期間などの理由により、赤外線調査が一般的となってきています。
ところで、いわゆる「12条点検」のような定期的な外壁調査とは別に、マンションやビルオーナーにとって喫緊の問題となるのは、雨漏りです。居住者やテナントから雨漏りの苦情が出た場合には、早急に対応が必要となります。
しかし、雨漏り対策や修繕には、意外と高度な知識と経験を要します。そのため、大切となるのはやはり、信頼性の高い業者や団体を選ぶことです。調査方法や必要な費用だけでなく、雨漏りの外壁調査には調査実施者の専門知識の有無が大きく関わってくるのです。
私たちスカイステージは、赤外線ドローンによる壁面調査はもとより、マンション等における雨漏り調査を得意としています。本記事では、赤外線による外壁調査の基本から、雨漏りの調査時に必要となる考え方や当社の実績についてお伝えしていきます。
「コストを抑えて雨漏り調査をしたい」「以前、雨漏り対策をしたがまた水が出てしまった」というマンション・ビルオーナーの方は必見です!
マンション雨漏り・雨漏り調査!赤外線による外壁調査とは
マンション全体の大規模修繕工事の他、雨漏りの修繕など、マンションやビルの部分的な外壁調査をおこなう場合に、赤外線調査が行われます。赤外線調査では、サーモグラフィーカメラによって外壁の温度を測定し、外壁の劣化についてデジタルデータ化をしていきます。
補修が必要となる壁面は他の箇所と比較して浮いているため、建物内の熱が伝わりづらく、他の箇所よりも温度が低くなる傾向があります。それにより、壁面で劣化が進み剥離しかけている箇所が一目瞭然となり、補修が必要な箇所がピンポイントで分かるようになるのです。
外壁調査には、赤外線を用いる方法の他、「打診調査」と呼ばれる方法があります。足場やゴンドラを設置し、調査員が壁面を打診棒で叩き、反響音から壁面内部の様子を把握する従来の打診調査と比較して、赤外線調査は、調査に罹る費用や期間を大幅に減らすことができるほか、調査結果が客観的なデジタルデータとして提示されるため、管理組合などで資料としても活用しやすいといったメリットがあります。
さらに、調査期間も最短で1日で終わるということもあり、ビルのテナントやマンションの入居者のストレスも、足場を組む壁面調査と比べて低減されることも重要なポイントです。
マンション雨漏り・雨漏り調査!地上からの調査とドローンによる調査の違い
赤外線調査には、地上からの調査方法と、サーモグラフィーを搭載したドローンによる調査方法があります。実は両者の決定的な違いとして、地上からの赤外線調査には制限が多いことが挙げられます。
従来の地上からの赤外線調査は、非常に高精度な測定器を利用して、壁面の表面温度の違いを測定・記録し、かなり正確な壁面調査がおこなえます。
ところが、この測定器は赤外線の射出角度が45度を超えてしまうと、調査精度が極端に低くなります。つまり、壁面調査を実施するビルやマンションが高い場合、その高さと同じ距離を離れた位置で測定をしなければならないのです。
従って、高層マンションなどの高い建物では、測定地点とマンションの間のかなりの距離に遮蔽物が存在しないことが条件としてあるため、事実上、地上からの赤外線調査は実施が不可能なのです。
一方で、ドローンによる赤外線調査には、高度による制限はなく、市街地など周囲に建物が多い場所や、十分に距離を取れない場所でも測定が可能です。そのため、高い建物で赤外線調査を実施するには、ドローンによる測定が不可欠となるのです。
マンション雨漏り・雨漏り調査!ドローンによる赤外線調査のメリット
ドローンによる赤外線調査では、サーモグラフィーによる画像だけではなく、補修が必要な箇所を肉眼で見た様子も、至近距離で収めた画像でお見せすることが可能です。雨漏りの原因を調べる際、遠目で見ても分かりやすい穴のようなものが開いていればいいのですが、詳細な写真が無ければ分かりづらい、クラックなどのキズなどが要因となることも。ドローンによって、人が撮影するには難しいような場所も撮影できることは、雨漏りの解決に一役買っています。
自治会などで補修計画を立てる際にも、ふだん建設業に従事していない組合員などに対して、写真による説得力のある判断材料を提供することが可能です。そういった意味でも、ドローンによる赤外線調査は地上からの赤外線調査と比較して利点があると言えるでしょう。
また、打診調査とのコスト比較については先述しましたが、圧倒的に低コストで調査を実施できるのも、ドローンによる赤外線調査が選ばれる大きな理由となっています。ドローンによる赤外線調査は、ドローンの操作者と周囲の安全確保を担う補助者数名という比較的少人数の体制でおこなうことができます。しかも最短で1日で実施が完了するため、滞在費を抑えられることが、お見積にもそのまま反映されるのです。
ちなみに、赤外線調査にも弱点があり、温度差の出づらい、日差しの当たらない壁面では、精度の高い調査ができません。同様の理由から、雨や風の強い日や、日差しを遮る障害物などが周囲に多い場合には、適しません。
しかし、たとえば「雨が降った翌日」などと、同じ建物を赤外線ドローンで調査をする場合にも、タイミングをはかることで十分な調査が実施できるケースもあるのです。スカイステージでは、調査の目的や対象となるビル・マンションの情報を精査し、最適な調査方法をご提案しています。
ビル・マンション雨漏り事例
専門知識で雨漏り調査の勘所をしっかりと押さえ、確実な修繕を実現!
ここで、実際に当団体がドローンによる赤外線調査のご依頼を頂いた、雨漏り調査の事例をご紹介します。
雨漏りでお悩みのそのビルは、大阪にある築20年ほどのビルで、ご依頼者の自社ビルでした。雨漏りの箇所があることは、以前から分かっていたのですが、そこまでひどいわけではなく、営業に支障が無かったために放置をされていたとのこと。
雨漏りの原因が簡単に分かるのであれば、すぐに対処をするつもりでいたそうですが、どこから水が漏れているのかが分かりませんでした。その為に無駄な対策にコストをかけるのも…そう考えて、5年ほど放置してしまっていたようです。
そちらのビルのオーナーをご紹介頂いた一級建築士の方は、そのビルがALC造(Autoclaved Lightweight Concreteの略称。気泡加工して軽量化したコンクリートを指す。耐火性や遮音性などに優れ、軽量で強度がある)であり、内部の劣化が生じやすいという弱点を持つ構造のビルであると懸念をしていました。
そんな時、ご相談を頂いたのがスカイステージでドローン講師をしている岩根でした。岩根は、多くの業者が通常の赤外線調査をおこなっても判明しなかったそのビルの雨漏りの原因が、表面温度センサーがついた遠赤外線ドローンを利用することで分かるであろうとお答えしたのです。
さらに、調査に最も適したタイミングは、雨が降った翌日であることをお伝えしました。なぜならば、雨が降った翌日には水が染み込むので、赤外線による調査を行えば、水が染み込んだ場所は色の変化で視覚的に分かるからです。
この話を受け、ビルのオーナーは重い腰を上げて、調査に踏み切られました。実際に雨の日の翌日に調査をおこなった結果、サーモグラフィー画像により雨漏りの原因となっている箇所が一目瞭然となり、雨漏りの修繕を施すほか、ビル全面に防水の為の塗装をし直す結果となりました。
同じ雨の日でも、風向きが違って、雨が吹き付ける壁面が変わると、雨漏りが起きたり起きなかったりするようなこともあり、ドローンによる赤外線調査をおこなう前には、周囲の方から大規模な修繕を進言してもオーナーが決断をすることはありませんでした。
しかし、サーモグラフィー画像という目に見える材料の提供は、大きな説得材料となりました。オーナーも「このままではまずい」と納得され、大規模修繕がおこなわれることになったのです。
別の事例をご紹介しましょう。
大阪市内のある工場では、雨漏りが見つかったために赤外線調査のご依頼を頂きました。この工場は大阪国際空港の滑走路の付近にあるため、調査用ドローンを飛ばす為には飛行申請を行わなければならず、さらにドローンを製造したメーカーに依頼し、期待に組み込まれた飛行制限の解除が必要でした。
通常の地上からの赤外線調査では、雨漏りの原因が分からなかったこともあり、岩根はなんとしてもドローンにより原因追及をしたいという思いから、複雑な申請手続きを経て、ドローンの飛行許可を得ました。
地上からの赤外線調査では、赤外線の照射角度の縛りがあり、どうしても死角となる箇所が生まれてしまいます。岩根は、既に実施されていた壁面の調査では、ご相談を頂いた雨漏りの原因追及には至れないと、経験的に感じていました。同時に、工場の高所を赤外線調査することで、原因箇所が特定できる自信があったのです。
ドローンによる赤外線調査でできる精密な調査、岩根の建築への理解と防水加工の経験、そして調査会社として「必ず原因を追究する」という強い責任感が相まって、成果に結びついた事例です。
ドローン操作技術だけでは不足?
マンション雨漏りの対策・雨漏り調査にはコツがある
雨漏りの原因は、防水がしっかりとされていないことや、屋上にできたクラック(裂け目)だけではありません。外壁に目に見えない穴が開いていたり、排水管に問題が起きていたりと、その理由は多岐にわたります。
スカイステージでは、国土交通省認証のカリキュラムで、業務特化型のドローン操作のスクールを開講しています。そのスクールでインストラクターを務める岩根は、建築のプロに対してドローン操作を教える確かな腕前とは別に、防水工事を手掛ける会社で職人としての経験を積んできた、まさに雨漏り調査のプロフェッショナルです。
多くの防水業者は、防水に関する知識しか持ち合わせておらず、雨漏りの根本的な原因を解決するのに至らないケースが多くあります。
一方で岩根は、防水業者としての経験と併せて、ドローン調査の専門家としての経験知を持ち合わせており、雨漏りの原因がどこにあるのか、感覚的に分かります。外壁改修、防水など、建物の外側についての深い理解があって、はじめて効果的な赤外線調査・対策を講じられるのです。
マンション雨漏りはなぜ起きるのか?雨漏り調査の勘所とは
そもそも、マンションやビルなどの雨漏りは、どのようにして起きるのでしょうか。岩根は、雨漏りが発生する原因について、いくつか傾向があると言います。
鉄筋コンクリート(RC)造の場合には、造りが堅牢で気密性も非常に高いことから、雨漏りをするケースはほとんど見られません。一方で、ALC造の場合には、ベランダなどの笠木(手摺・パラペット・腰壁の上部に取り付ける仕上げ材のこと)の劣化などが原因となるケースが多いのです。
他にも、改修用ドレンと呼ばれる、バルコニーの端などに設置されている部品が原因となり雨漏りが発生するケースもあります。防水層と雨どいをつなぐ改修用ドレンに、劣化によるクラック(裂け目)が生じた結果、雨の受け皿となる部分と排水管の間から、水が漏れてしまうのです。このように、屋上の屋根防水面に劣化が生じていなくても、雨漏りに繋がってしまう場合があります。
雨が降ってから、数日経って雨漏りが発生するというケースもありますが、こういったことが何故起きるのかというと、雨水がクラックなどからコンクリートに浸透し、やがて一箇所に水が溜まり、そこから更に雨が浸透し…と、壁内を複雑なルートで伝っていくために、タイムラグが発生しているからです。防水の為に壁面に利用された防水シートが、雨水の滞留を引き起こし、時間差を招いたケースもあります。
そもそも、雨漏りが発覚するのは、誰かの家やテナントの壁面から、水が漏れ出した時です。素人の考えでは、水が漏れるすぐ上部に問題があると思いがちですが、実際には随分と離れた場所が原因となって水漏れに繋がっていることも多いのです。
日本の気候は以前と変わり、台風やゲリラ豪雨と呼ばれる短時間に爆発的な降雨量になる雨が非常に多く発生するようになりました。横殴りの雨が強風で巻き上げられ、壁面にぶつかるように吹き付けられるようになった結果、建築時には想定されていなかったルートで、建物の内部に水が入るということが起きているのです。
雨漏り調査における、赤外線ドローン調査のポイントは、「どこを調査すれば原因に突き当たるのか」という当たりをつけられるかという点にあります。単純に、性能のよいドローンを保持している業者・ドローン操作が巧みな業者に依頼しただけでは、壁面を満遍なく調査をして、とりあえず防水加工をした結果、再び水漏れが発生するという事態を引き起こしかねません。
ビルやマンションに足場を組み、防水加工をした結果、それでも雨漏りが発生してしまっては、目も当てられません。やはり、雨漏りのメカニズムを、ひいては建築について良く分かっている調査員によって、効率的・効果的な調査を実施することが大切です。
雨漏り調査・マンション雨漏りでお困りのオーナーは、スカイステージへご依頼を!
繰り返し述べていますように、雨漏り調査には、ドローンによる調査の精度だけではなく、雨漏り発生のメカニズムに対する深い理解と、防水対策の経験が欠かせません。
ドローンによる調査はできても、壁面調査自体の経験が乏しい業者も数多くあるなかで、スカイステージは、プロに指導をしている実績からもお分かりのように、ドローン操作と壁面調査のプロフェッショナルです。
私たちは、豊富な壁面調査の実績を持っており、ドローンによる赤外線調査の指導をおこなえる「プロ中のプロ」が、雨漏り調査が必要な箇所を正確に把握し、ポイントを押さえた調査を実現します。そして、ビルやマンションのオーナーが納得して防水対策や外壁修繕工事に取り掛かれるよう、目に見える形で赤外線調査の画像によるエビデンスを提供します。
雨漏りがあるということは、建物の外壁などの内部に水が溜まっているということ。この水の滞留こそ、大切なビルやマンションの劣化を促す最も大きな原因のひとつなのです。裏を返せば、適切な雨漏り対策をすることにより、大切な建物が長持ちし、資産価値の維持にも繋がるのです。
雨漏りでクレームが発生してお困りの方や、長年の雨漏りの原因が特定できず、そのままにしているオーナー・管理組合の皆さんは、是非、安心して水漏れ調査のプロであるスカイステージへお任せください!