私たちは大阪に拠点を置き、関西地方を中心に赤外線ドローンによるマンション・ビルの外壁調査を行っている一般社団法人スカイステージです。
マンションやビルの外壁調査では、目視で確認できない上層階の外壁や外壁内側の劣化状況を確認します。外壁調査には大きく「打診調査」と「赤外線調査」の二種類のやり方があり、それぞれにメリットとデメリットがありますが、コストや施工期間などの理由により、近年では赤外線調査が一般的となりつつあります。
さらに、私たちスカイステージが得意とするドローンによる赤外線調査は、地上からの赤外線調査と比較した場合にさらなるメリットがあり、今後、外壁調査の主流となっていくと考えられます。
今回は「不動産会社にとってのドローンによる赤外線外壁調査」をテーマに、
サムティプロパティマネジメント株式会社 技術部
三河 聡 様にお話を伺いました。
「ドローンによる赤外線調査は高額なのでは」「どのようなメリットがあるのか知りたい」というビルオーナーやマンション管理組合の皆様は是非最後までお読みください!
【ドローンを活用した赤外線外壁調査】ドローン調査のニーズ
三河さん:サムティプロパティマネジメントは「分譲マンション管理業」「賃貸不動産管理業」「ビルメンテナンス業」「建設・リフォーム業」「不動産仲介業」の5つの業務を柱とし、管理業務のトータルサポートを提供している総合不動産会社です。
その中でもメインとなっている業務は「分譲マンション管理業」です。
私の担当業務は、発注者とセッション しながら工事業者を選定したり、現場で工事を担当する会社を設計施工管理 することです。
簡単に表現すると、大規模修繕工事の実施が計画されてから工事完了までのお手伝いです。どちらかと言うとコンサルティングの要素が強い業務です。
マンションの建物診断時にドローンを活用するメリットですね…
近年、九州や東北で地震が頻発していることもあり、外壁のタイル剥落について注目が集まってきました。
外壁タイルそのものが剥げ落ちてしまったり、剥落に至らなくてもタイルが浮いた状態になってしまっていたりする場合は早急な調査実施が求められます。
また、目に見えるような具体的な症状が確認できなくても「もし万が一のことがあったら…」と不安に感じているビルオーナーさんや、マンション管理組合の方も多くいらっしゃるため、外壁調査のニーズが高まっています。
平時ではタイルの剥落まではそれほど発生していませんが、熊本や仙台の地震の際には多数剥落の事例がありました。
マンションやビルは建物が竣工してから12〜15年くらいで大規模修繕工事を行います。さらに、タイルの浮きに関わらず、該当建築物であれば定期的に特定建築物調査(いわゆる12条点検)を実施しなくてはなりません。
12条点検は、大きく「建築物の点検」と「建築設備(昇降機以外)」の点検に分けられていますが、「建築物の点検」は主に屋根・外壁等、外部に接する部分及び屋内の防火及び避難等に関係する部分を対象としているためです。
外壁にタイルが使われている、竣工後10年以上経過した建物については外壁調査実施が国土交通省から告示されています。
外壁タイルの剥落は第三者を巻き込んだ事故になる場合があり、現在の法律ができたのも痛ましい事故が発端となっています。その様な理由で、日頃から不動産オーナーさんの気がかりとなっているのです。
【大規模修繕に関わる費用とドローン】なぜドローン調査が選ばれるのか
外壁調査には、大きく分けて「全面打診調査」と「赤外線調査」があります。
当然、どちらにもメリットとデメリットがあります。
調査環境・精度・掛かる時間・費用という視点でお話しましょう。
・調査環境
まず打診調査の場合は屋上からゴンドラを吊り下げて作業をするか、もしくは足場を組んで行うことになり、この設置〜調査の時間、コストは大きな負担になっていました。
赤外線調査ですが、
地上から行う赤外線調査の場合、照射のための距離と角度にどうしても制約がでてしまいます。
建物から一定の距離離れた位置から、赤外線カメラを当てなければならず、物理的にそれだけの空間が取れるかという問題があります。
住宅密集地などで地上からの赤外線調査が難しいのはこのためで、そこでドローンが登場しました。
・精度
打診調査は人の手で作業するものなので、信頼性は高いです。打診調査はパルハンマー(打診棒)で壁面を叩いて音で判断をしていく方法で、それほど経験が無くてもある程度の判断はできますが、やはり経験値がモノをいう作業であることには変わりません。
ただし、アナログに全面を叩いていくことになるので作業自体にかなり時間がかかります。このため、診断の精度は作業員の集中力にも多少は左右されます。
赤外線調査は外壁の温度を見てタイルが浮いているかどうかを判断します。
対象物を面で捉え、データをサーモグラフィー画像で可視化しますので、説明を受ける側がビジュアルで理解しやすいというメリットがあります。
昔の赤外線調査では、タイル浮きの詳細(接着剤で表面を補修すればいいのか、下地のモルタルから直すべきかなど)まではデータから判断が難しかったのです。しかし機材の性能は日進月歩で、今では精度がとても上がっています。
ドローンでの調査が増加している理由ですね。
・掛かる時間
打診調査の場合、足場を組むなどの仮設の準備にも相当の時間を要します。
このため、打診調査自体は1日で終わるとしても、その前後の作業だけで2日程度が必要となってしまい、結果としてトータルで3日程度になります。
ところがドローンを使った赤外線調査の場合には仮設の設置・解体の時間が不要のため、1日から1日半で調査に関わるすべてを終わらせることができます。
・費用
オーナーさんの考え方はケースバイケースです。
打診による外壁調査にあたっては基本的に建物周りに足場を組むことになりますから、「わざわざ費用をかけて足場を立てるのだから、調査だけではもったいない。せっかくだから補修やその他、防水工事なども一緒にやってしまおう」と、大規模修繕に踏み切るオーナーさんがほとんどです。
ただし、足場を組む際にはそのコストからも、”工事をする前提”で進めていかねばなりません。
大規模修繕を実施するか否か、実質的に「検討」はできない。オーナーさんの最も悩ましい点、そしてドローン調査が需要が増えている一番の理由はここでしょう。
ドローンの赤外線調査での報告書を見て、どのくらい劣化や剥離が進んでいるかを確認してから検討ができます。また、費用を掛けても入念に補修すべき箇所もわかり、見積もりの精度も上がる。納得して次に進めますよね。
やはり納得できるということはお客さまの立場で考えれば非常に重要ですから。
目安程度ではありますが、私の肌感覚ではドローンによる赤外線調査費用は打診調査に比べるとおよそ70%から60%抑えることができていると思います。
とにかく調査はしておきたいという場合には、ドローンを活用しない手は無いと思いますね。
【不動産会社にとってのドローン調査】スカイステージへの依頼背景と利点
マンションの場合は管理組合が大規模修繕計画書を持っていて、それぞれのビルにも修繕計画があるはずなので、ほとんどのビルオーナーやマンション管理組合は修繕時期についてある程度理解はされていると思います。
しかし、大きな出費ですので、計画〜工事実施までには時間も必要です。
その際、ドローン調査の結果があると、「ああ、そろそろか」と現実味を帯びてきますよね。
私が携わったプロジェクトでは、ドローンによる外壁調査を7回、8回ほどスカイステージにお願いしました。
弊社は年間通して全国で建物診断から大規模修繕工事までを手掛けていますので、関東であっても九州であっても、スカイステージなら全国迅速に対応してくれるので、とても助かっています。それから、費用も低めに設定されている印象がありあすね。
本来は費用面ではなく対応のスピードのほうが重要です。お客様の中には今にもタイルが落ちそうで心配だ、という方もいらっしゃいますから。
いただける報告書も、専門知識が無い人が見ても理解しやすいので、お客様への説明もしやすいですね。報告書はページ数が多ければ良いというものではなく、わかりやすいことが大事なのです。
また、スカイステージ代表の岩根さんは補修の経験も豊富なので、とてもコミュニケーションがスムーズです。仮設工事についても詳しいですし、外壁調査診断士の資格を持っているので、とても安心して依頼できます。
ドローンによる赤外線外壁調査は機器の操作さえできれば誰でもできることです。それゆえに実際に建物の性質を理解せずに調査を行っている会社もあるでしょう。
それに対して岩根さんは建築というものをきちんと理解しているので話が的確ですし、話がきちんと通じやすいのでラクですね。
【ドローンによる外壁調査】ドローン調査の今後
大規模修繕に建物調査は必須ですが、打診調査か、ドローン赤外線か、費用で判断するお客さまが大多数です。しかし「安かろう悪かろう」では困りますから、小さな予算で最大の結果を出せる方法を考えることになります。こういった流れから、ドローンによる調査を選択することが多くなっていますし、今後も増えていくだろうと推測します。
また、近年では物件の売買をする際に、資産価値を判断する材料としてドローンを使って調査をする例が増えてきています。例えば、不動産売買を仲介しているグループ会社では物件を取得する側から建物の状況を調査して欲しいというリクエストをいただくことがあるようです。さらに、調査と同時に修繕費を見積もって欲しいという話が出ることも多くなってきていると聞いています。
購入しようとしている側だけではなく、売却しようとしている側も同様です。購入を検討されているお客様が、今後の修繕にどれだけの費用が必要かを危惧されることはわかっていますから。
売買契約時にはお互いに修繕計画の把握が必要ですから、建物の状況把握にドローンを使うケースはどんどん増えていくと思います。
外壁調査はドローン赤外線調査が最適!スカイステージにご相談を!
本記事では、ドローンによる赤外線調査についての説明とそれが活用されるシーンやメリットなどについて、不動産管理会社の視点でお話を聞くことができました!!
(ご協力いただいた、サムティプロパティマネジメント株式会社 三河さん、ありがとうございました!)
スカイステージはドローン操作 × 壁面調査のプロフェッショナル集団として業務を遂行しています。
豊富な壁面調査の実績を持っており、詳細な調査が必要な壁面でもその状態を正確に把握し、ポイントを押さえた調査を実現します。
外壁調査の実施を検討している方は、お気軽にスカイステージへご相談ください!