滋賀県大津市マンションの調査事例です。ドローン赤外線調査・外壁修繕の知識・受講生の実務体験を組み合わせた現場レポートとしてまとめました。

調査実施時期

2026年4月

所在地

滋賀県大津市のマンション

発注者

管理会社様

依頼背景

本物件は数年前にタイルのエポキシ樹脂注入工事が実施されており、単純に「劣化しているかどうか」を見るだけではなく、過去に実施した補修が現在どのように機能しているのかを確認する意味合いもある現場でした。管理会社様としては、過去に工事を行っているからこそ、今の状態を客観的に把握したいという思いがあり、施工箇所の経年劣化の有無、注入がしっかり行われているか、再度補修が必要な状態になっていないかという点について相談を受けました。

外壁タイルの補修は、見た目だけでは判断しにくい部分があります。表面上は問題がなさそうに見えても、内部では浮きが進行している場合があります。また、過去に補修した箇所であっても、経年によって状態が変化することがあります。

そのため今回は、ドローンによる赤外線調査と、手の届く範囲での打診調査を組み合わせ、外壁全体の状態を確認しながら、過去の注入箇所についても重点的に確認する流れで調査を進めました。

調査内容

  • ドローンによる外壁赤外線調査
  • 手の届く範囲での打診調査
  • 過去にタイル注入が行われた箇所の状態確認
  • 未施工箇所との比較
  • 受講生同行による実務体験

今回はインストラクターと受講生が同行し、実際の現場にて調査を実施しました。受講生にとっては、ドローン操作だけではなく、建物を見る視点、劣化を判断する考え方、発注者が何を知りたいのかを学ぶ機会にもなりました。

スカイステージでは、資格取得だけで終わらせるのではなく、実際の現場でどのようにドローンを活用するのかを重視しています。今回のような調査現場では、操作技術だけでなく、建物調査としての判断力が求められます。

赤外線で全体を把握
ドローンによる外壁赤外線調査で温度分布を確認し、タイル浮きや内部異常の可能性がある箇所を抽出します。赤外線の反応だけでなく、方位・日射・時間帯・周辺環境も踏まえて読み解きます。

打診で実測確認
手の届く範囲では打診調査を行い、浮きの有無や音の違いを確認します。赤外線で反応が出た箇所と照らし合わせ、判断の精度を高めます。

注入履歴を踏まえた見極め
過去に注入工事が行われたと想定される範囲を中心に、未施工箇所との比較も含めて状態を確認します。

現場の様子

現場では、まず外観全体の状況を確認したうえで、過去に注入工事が行われたと想定される範囲を中心に調査を進めました。外壁の劣化は一部分だけで判断するのではなく、建物全体の状態を見ながら考える必要があります。

ドローンによる赤外線調査では、外壁の温度分布を確認し、タイル浮きや内部異常の可能性がある箇所を抽出していきます。赤外線の反応だけで判断するのではなく、外壁の方角、日射条件、時間帯、周辺環境なども踏まえて確認することが重要です。

その後、手の届く範囲については打診調査を行い、実際の浮きの有無や音の違いを確認しました。赤外線調査で反応が出た箇所と、打診で確認できる箇所を照らし合わせることで、より精度の高い判断につながります。

受講生も現場に入り、どの部分を重点的に見るのか、どのように異常を判断するのか、現場でどのような会話や確認が行われるのかを実際に体験しました。講習だけでは伝わりにくい、現場の緊張感や判断の重みを感じる機会になったと思います。

確認された状況

このようなケースでは、次のような要因が考えられます。

  • 経年による接着力の低下
  • 施工時の注入量不足
  • 注入材が十分に回っていない可能性
  • 下地の状態による影響
  • 雨水や湿気など外部環境の影響
  • 建物の動きや振動による再浮き

同じ建物内でも、しっかり機能している箇所と、再度浮きが出ている箇所が混在していました。これは、施工品質や下地条件、施工当時の状態、経年変化によって結果に差が出ている可能性があります。

ここで重要なのは、「過去に注入しているから安心」とは言い切れない点です。エポキシ樹脂注入は有効な補修方法の一つですが、施工後も状態確認を行い、必要に応じて再評価することが建物の維持管理では重要になります。

特に管理会社様にとっては、次回の修繕計画や予算判断に関わるため、現在の状態を客観的に把握することが大切です。劣化が進んでいる箇所、経過観察でよい箇所、早めに対応した方がよい箇所を分けて考えることで、無駄な修繕を避けながら適切な維持管理につなげることができます。

優先して対応を検討
劣化が進んでいる箇所は、修繕計画や予算の優先度を上げて検討します。

経過観察でよい箇所
状態を記録しつつ、定期的な確認サイクルで変化を追います。

早めの着手が望ましい箇所
進行リスクが高い場合は、「様子見」のままにせず判断材料を揃えます。

現場での判断(専門性)

今回のようなケースでは、単純に「浮きがあるから再施工」という判断では不十分です。既存の注入がどこまで機能しているのか、どの範囲まで再補修が必要なのか、部分補修で対応できるのか、それとも全体的な修繕計画の見直しが必要なのかを総合的に判断する必要があります。

スカイステージ岩根は外壁修繕の実務経験があるため、単なるドローン調査だけではなく、施工目線での確認や補修方法の適正判断も踏まえて見ることができます。タイル注入の跡がある場合でも、注入が効いている箇所と効いていない可能性がある箇所では、今後の対応が変わります。

単に赤外線画像を見るだけではなく、外壁修繕の知識があることで、「なぜこの反応が出ているのか」「施工として何が考えられるのか」というところまで判断しやすくなります。これは、ドローンを飛ばして撮影するだけの調査とは大きく異なる点です。

建物調査では、機械や画像だけで完結するのではなく、建物の構造、外壁材、過去の補修履歴、劣化の進行状況を踏まえた総合的な判断が必要です。発注者にとっても、単なる調査結果だけではなく、今後どう判断すべきかという視点が得られることは大きなメリットです。

受講生の背景と現場体験

今回同行した受講生にとっても、この現場は非常に大きな学びとなりました。受講前は、「ドローンを使った仕事」と聞くと操作や撮影が中心というイメージを持ちやすいものですが、実際の現場では、飛ばすこと以上に何を確認するのか、どのように判断するのか、発注者にどのような価値を提供するのかが重要になります。

今回の現場では、過去のタイル注入工事の状態確認という専門性の高いテーマがありました。そのため受講生にとっては、ドローン調査が単なる撮影業務ではなく、建物の状態を読み取り、修繕判断に役立てる仕事であることを実感する機会になりました。

受講生からは、「想像していたよりも判断が重要な仕事だと感じた」「建物の知識がないと本当の意味での調査はできないと思った」といった感想もありました。このような気づきは、座学だけでは得にくいものです。

また、インストラクターが現場でどのように確認し、どのような言葉で説明するのかを見ることも、受講生にとって大きな学びになります。ドローン技術だけでなく、現場対応力や説明力も、仕事として成立させるためには欠かせない要素です。

今回の調査から見えたこと

過去の補修履歴を踏まえたうえで、現在の外壁の状態を確認することができました。外壁調査は、単に劣化を見つけるだけではなく、過去の施工がどのように機能しているか、今後どこを優先的に見ていくべきか、どの範囲を経過観察とするのかを見極めることが重要です。

特にマンションの維持管理では、すべてを一度に修繕することが必ずしも正解とは限りません。緊急性のある箇所と、経過観察でよい箇所を分けることで、修繕費用の無駄を抑えながら安全性を確保することができます。そのためには、調査の段階でできるだけ正確に状態を把握することが必要です。

今回のように、ドローン赤外線調査と打診調査を組み合わせることで、建物全体の状態を効率よく確認しながら、必要な箇所を重点的に見ることができます。

まとめ

今回の滋賀県大津市のマンション調査では、数年前に実施されたタイルのエポキシ樹脂注入工事について、施工箇所の経年劣化や注入状態の確認を含めて調査を行いました。調査の結果、一部には再度浮きの反応が確認され、施工後も定期的な状態確認が重要であることが分かりました。

外壁調査は、単に劣化を見つけるだけではなく、「過去の施工がどう機能しているか」「今後どこに注意すべきか」「どの範囲まで修繕が必要か」を見極めることが重要です。「修繕ありき」ではなく、「調べてから判断する」ことで、無駄な修繕を避けながら、建物の安全性と資産価値を守ることにつながります。

スカイステージの取り組み

スカイステージでは、こうした実際の現場をベースにした講習として「JOBパイロットコース」を実施しています。次のような方におすすめです。

  • 未経験からドローンを仕事にしたい方
  • 資格取得だけで終わらせたくない方
  • 現場で通用するスキルを身につけたい方
  • 建物調査や赤外線調査に興味がある方

ドローンの仕事は、資格を取ることがゴールではありません。実際の現場で何を見て、どう判断し、どのように発注者へ価値を提供するかが重要です。スカイステージでは、実務に基づいた講習と現場経験を通じて、仕事に繋がるドローン活用を目指しています。

また、外壁調査や漏水調査、修繕判断についてのご相談も承っております。建物の状態確認や修繕計画でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ・ご相談

外壁赤外線調査/漏水調査/JOBパイロットコースについては、一般社団法人スカイステージまでお気軽にご相談ください。