こんにちは。
ドローンによるビルやマンションの赤外線外壁調査を行っている、一般社団法人スカイステージです。
「ドローンによる赤外線調査は信頼できるのか?」
「ドローンを使った調査について最近よく耳にするが、相当高額なのでは?」
興味を持ってはいるものの、まだまだ不安を抱えていらっしゃるビルオーナーさん、マンション管理組合の方、また不動産管理会社さんも多いのではないでしょうか。
今回はスカイステージが手掛けた数多くの実績から、3つの実例を紹介します。
それぞれ調査対象の建物や規模が異なるため、参考にしていただきやすいと思います。
包み隠さず公開しますので、是非最後までお読みください!
01【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】
なぜ外壁調査をするの?
外壁崩落事故の過去事例から見る外壁調査の重要性!

外壁タイルはその建物のアイデンティティーを表しているという意匠面での役割と同時に、建造物の骨格である鉄筋コンクリートを守る役目を担っています。
鉄筋コンクリートは酸化(錆)に弱い鉄筋をアルカリ性のコンクリートで覆うことで、鉄筋を錆から守っています。
しかし、コンクリートは時間の経過とともに空気中の二酸化炭素に反応して中性化していきます。
この中性化が進むと内部の鉄筋が錆びてしまうことになるため、コンクリートの表面を塗装やタイルで保護しています。
つまり、コンクリートが鉄筋を守り、更にそのコンクリートをタイルなどの外装材が保護している訳です。
ところが、タイルは剝がれてしまう可能性がゼロとは言えません。
接着力不足、下地のモルタルの劣化、雨の侵入などが原因でタイルが崩落してしまうことがあるのです。
過去にはタイル崩落によって大きな事故になった事例もあります。
最初に大きな注目を集めたのが1989年の北九州市での事故です。
住宅都市整備公団の団地(地上10階建て)の最上階付近から、縦約5m、幅約8mの範囲にわたってタイルが落下しました。
落下距離は約31m、大きい塊は4.5㎏もの重さがあったほどです。
男女3人が死傷するという大事故で、この事故をきっかけとして外壁タイルの安全性が問われるようになったのです。
この後も、大きな事故が幾つか発生しています。
2005年には東京都荒川区の雑居ビル(地上8階建て)の5階から6階部分の斜壁が崩落しました。
この事故では縦約7m、幅約5m、重量にして約900㎏が剥がれ落ちたのです。
近くを歩いていて破片が直撃した女性が重体となる事態となりました。
また、2016年には大阪市の雑居ビルで、2016年には東京都三鷹市のビルでも外壁の崩落があり、どちらも通行人に落下物が直撃するという事態となっています。
しかも、三鷹市の事例ではこの数時間前に別の箇所からの外壁崩落があり、落下物を回収した直後の事故となりました。
こうした事故を重視した政府は、建築基準法における定期報告制度で外壁の全面調査を義務化しました。
タイルが崩落してしまう前に、その危険性がある箇所の有無を外壁調査によって把握し修繕することを目的としています。
赤外線調査のメリットと、ドローンを使うメリット
外壁調査には人の手による「打診調査」と赤外線画像で不具合を探る「赤外線調査」があります。
費用面や時間、周辺環境といった面でそれぞれにメリットもデメリットもあります。
打診調査は打診棒と呼ばれる器具を使い、文字通り外壁を叩いてその音から状態を判断するものです。
この方法には高い正確性がありますが、作業をするためには建物を囲むように足場を設置する必要があり、相当の時間と費用がかかってしまいます。
調査期間はおおむね3~4週間程度を要します。
赤外線調査はサーモグラフィーカメラで外壁の温度を測定し、外壁の状態をデジタルデータ化して劣化状況を判断します。
足場設置が不要であるため調査は最短で1日で済ませることが可能です。
ただし、赤外線の照射角度に限界があるため、画像撮影には十分な空きスペースの確保が必要となります。
具体的には調査対象の建物の高さと同じ距離にカメラを設置する必要があり、しかも建物とカメラの間に障害物があると撮影が困難になってしまうのです。
つまり、高さのある建物ほど現実的には赤外線調査は難しいことになります。
大きなメリットは調査結果を画像で確認できることです。
専門知識がなくても、わかりやすく可視化された調査報告書から実態を理解しやすい点が依頼者にとって安心できるポイントなのです。
そして、この赤外線調査において近年活躍しているのがドローンです。
従来の地上からの赤外線調査のように、広大なスペースは必要ありません。
ドローンの飛行可能空域や飛行方法は法律で定められているため、調査にあたっては国土交通省への申請が必要となるため、実施を決めてから調査日までに2週間程度を要しますが、調査自体は短時間で済ませることができます。
ドローンによる赤外線調査が注目されつつあるものの、まだまだ実例が少ないため費用感をつかみ辛いことと思います。
以下で一般的な費用の説明と、スカイステージが手掛けた実例を3つ紹介いたしますので、費用感把握の参考にしていただけると幸いです。
02【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】これが費用の内訳です!
費用内訳を説明します
ドローン外壁調査とゴンドラ見積りを比較!
【対象物件イメージ】

15階建て、2棟
約250世帯のマンション
ドローン外壁調査のお見積り

全てゴンドラで調査した場合のお見積り

まずはドローンによる赤外線調査の費用項目を説明しておきましょう。
項目としては以下の5つになります。
- 赤外線調査費
- 安全補助者費
- 国土交通省飛行申請代
- 赤外線解析報告書作成費
- 諸経費
「赤外線調査費」はドローンの操縦や撮影などの実作業費用です。
通常は調査に要する時間(日数)で算出します。
「安全補助者費」は、ドローンの操縦者以外に現地で安全確保をするために必要な安全監視員の費用です。
配置人数はどの程度見通しの利く環境なのかなど、調査対象の立地条件によって変わります。
調査対象周辺の航空写真やマップを見て判断しますが、繁華街や通行人が多い立地の場合はどうしても人数が必要となります。
ドローンの飛行特性などを理解している人が望ましいため、弊社が担当する現場では単なる見守り係ではなくドローンジョブパイロットの有資格者を安全監視員に充てています。
また、必要に応じてバリケード設置などの費用がかかる場合もあります。
「国土交通省飛行申請代」は、航空法で定められている飛行制限区域でドローンを飛行させる場合や、目視外飛行・建物や人や車などから30m以内の距離を飛行させる場合に必要となる申請のための費用です。
大抵の場合、「個別申請」と呼ばれる1回の飛行にのみに適用される許可を申請することになります。
同一地域や一定の期間の飛行が認められる「包括申請」というものがありますが、外壁調査にあたってはほとんどの場合は個別申請が必要となるのです。
何故ならば人口集中地区(DID地区)での目視外飛行は個別申請で許可を得なくてはならず、都市圏での調査はほぼこの地区に該当するからです。
「赤外線解析報告書作成費」は、解析画像とその解説のための写真台帳や、既存図面などに不具合箇所をマークしてわかりやすく説明する資料の作成費です。
調査結果を基に、団体内の赤外線診断士と一級建築士が作成を担当します。
報告書作成費は調査の規模によって金額が変動します。
この中には大きく分けて「写真台帳作成費」と「図面入力費」があります。
写真台帳のボリュームは調査案件によって大きく変わります。
全箇所を解説するか、もしくは代表的な箇所だけでいいのか、といった違いです。
離れて撮影できる環境など画角を広く取れる立地であれば画像数は少なくなりますし、細かく分けて撮影せざるを得ない場合は必然的に画像数が増えます。
これは建物の構造や意匠にも影響されます。
小さいマンションであってもバルコニーの形状によっては画像数が増えてしまう可能性があるのです。
最後に、「諸経費」は交通費などの雑費です。
それでは実例を見ていきましょう。
03【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】実例A:国際空港近くの工場

調査用ドローン

調査目的:雨漏り原因特定
費用合計60万円
- 赤外線調査費 30万円
- 安全補助者費 5万円(ジョブパイロット有資格者2人)
- 飛行申請代 10万円
- 報告書作成費 15万円(写真台帳作成7.5万円、図面入力7.5万円)
- 諸経費 5万円
工場内で雨漏りが発見されたため、赤外線調査で雨漏り箇所を特定してほしいというご依頼です。
現場は国際空港の滑走路から100m程度の距離に位置する建物であるため、飛行手続きが複雑になりました。
空港近くでは自動制御で動作内容が制限され、通常の平地と同じ飛行ができません。
滑走路に近ければ近いほど制限高度が低くなります。
事故が起これば大惨事になりかねないためです。
このため、正式な手続きを経てドローンを飛行させる必要がありました。
まず、いつ何故どのようにドローンを飛行させたいかを空港事務局に電話で説明します。
そして国土交通省への飛行申請をし、許可が下りた後にドローンの製造元へ一時的な飛行制限の解除を依頼しました。
空港周辺はGPSによりあらかじめ飛行制限が設定されているため、GPSの解除を英文で申請しなくてはならないのです。
因みに、包括申請だけですとどのような場所でも150mが飛行高度の限界となります。
それ以上飛ばす場合には個別の飛行申請が必要です。
例えば高層ビル(およそ45階建て以上)や、床面積の大きい建物の屋上全景などを撮影する場合には個別申請が必要となります。
飛行場に近いということもあり、安全補助には2人を充てました。
04【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】実例B:地上8階建てマンション


調査目的:大規模修繕計画書作成
費用合計67.5万円
- 赤外線調査費 40万円
- 安全補助者費 2.5万円(ジョブパイロット有資格者1人)
- 飛行申請代 5万円
- 報告書作成費 15万円(写真台帳作成7.5万円、図面入力7.5万円)
- 諸経費 5万円
大規模修繕計画を作成するために実施時期と予算を把握したい、というマンション管理会社さまからのご依頼でした。
この調査では外壁の浮きが数か所発見され、すぐにでも補修対応をしないと崩落を引き起こしかねないという事実が発見できました。
そのまま放置すると真下の駐輪場や駐車スペースにタイルが落下してしまう恐れがあり、通行人に怪我を負わせてしまう可能性が考えられます。
このため、「早急に囲いを設置して安全を確保すべき」とアドバイスをさせていただき、事故の予防につなげることができました。
このケースでは安全監視のための補助者は1人で済みましたが、繁華街や住宅密集地など人通りが多い立地の場合は更に人数が必要な場合があります。
05【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】実例C:地上14階建てマンション


お見積りサンプル

調査目的:大規模修繕早期実施の判断
費用合計89.6万円
- 赤外線調査費 50万円
- 安全補助者費 2.6万円(ジョブパイロット有資格者1人)
- 飛行申請代 5万円
- 報告書作成費 24万円(写真台帳作成12万円、図面入力12万円)
- 諸経費 8万円
こちらはBの実例よりも規模が大きいマンションの調査でした。
計画上では大規模修繕の時期を控えてはいるものの、すでにタイルが崩落してしまっていてかなり危険な状態だったのです。
危険性のある箇所はタイルを剥がして一時的にしのいではいるが、管理会社の立場から理事会に修繕実施を勧めたく、その根拠となるデータが欲しいというのが依頼理由でした。

見積り単独目的の場合、打診調査ですと費用が膨大になってしまいます。
建物全体を囲うような足場が必要となるためです。
このため、一般的に足場を組む場合は調査と修繕を一気に実施する前提で考えることが多いです。
何故ならば、足場設置と解体撤去を調査・修繕それぞれで行うよりも、一度で済ませれば費用を抑えることができるからです。
今回のように調査だけ単独で実施したい場合には、費用面の視点から赤外線調査を選択されるケースが多いです。
また、14階建ての建物は建物の高さが約40m程度となり、地上からの赤外線調査には半径40mの空きスペースが必要となります。
住宅地ではこれ程のスペースが確保できることは少ないので、ドローンによる赤外線調査が最適なのです。
この場合もやはり個別申請で飛行許可を取得することになります。
前出の2つの事例に比べて報告書作成費は高額になっているのは、建物の規模が大きい分だけ報告書のボリュームが大きくなったためです。
06【ドローンを使った赤外線外壁調査費用】スカイステージにご相談をください!
赤外線技術を用いた外壁検査は国から認められています!
赤外線を使った外壁検査は、建物の老朽化による事故を未然に防ぐために導入されまた検査方法です。
2008年に「建築基準法第12条」が改正され、この検査方法が国に正式に認められるようになりました。
それ以来、建物の所有者や管理者の方々には、定期的な外壁の点検と報告が義務付けられています。
通常の目視検査や触診に加えて、何か異常が見つかった場合には、全面的な調査が必要となります。
全面調査の方法の一つとして赤外線検査が採用されており、この検査結果は証拠となるデータとして提出することができます。
スカイステージはドローン操作技術と建築知識を兼ね備えたプロ集団です!

いかがでしょうか。
ドローンによる赤外線外壁調査費用は皆さまが想像していた費用感と比較して高額でしたか?
それとも思っていたよりも低額でしたか?
過去にはゴンドラを使った打診調査とドローンによる赤外線調査の費用比較も紹介しています。
そちらも参考にしていただけると、ドローンによる調査の費用メリットをより理解していただけると思います。
事例にもあるように、単に調査のつもりで実施したところ、早急に対応しないと危険な状態であることがわかる場合もあります。
スカイステージは現場の緊急度に応じて対処法を提案し、各種の業者を直接手配できますので修繕処置にも素早く対応いたします。
また、樹脂接着剤注入士の資格保有者が4名おり、物件ごとのタイル接着方式に応じて適切な処置をすることも可能です。
需要の高まりとともに、次第にドローン調査会社は増えています。
しかし、赤外線解析を外部に委託したり、きちんとした報告書を作成できないような会社がまだまだ多いのが実情です。
スカイステージではドローンのジョブパイロット育成をしているインストラクターが撮影を担当しています。
ドローンの操縦には絶対の自信があり、正確性の高い赤外線カメラ操作を自負しています。
また、長年建築業に携わってきたスタッフも多く在籍しているため、表面的な調査だけではなく不具合の原因を想定しながら調査を実施することができます。
経験が浅いと見逃してしまいそうな小さなポイントも見落としません!
年間100件程度のドローン赤外線調査実績のあるスカイステージだからこそ、提供できることがあるという自信があります。
ドローンを使った赤外線外壁調査に興味はあるが判断に迷っている、調査目的の最適解がドローンによる調査なのかが分からない等でお困りの場合は、スカイステージへお気軽にご相談ください。
ドローン赤外線調査が適さない場合は、別の調査方法の提案もいたしますのでご安心ください!

