賃貸管理会社の選び方と変え方|比較5項目

一般社団法人スカイステージのこの記事では、賃貸管理会社を管理委託料だけで比べず、建物の点検・報告・修繕提案・対応速度・空室対策の5項目で選ぶ手順を整理しています。委託料の差は家賃の1〜2%程度(月額数万円)ですが、劣化発見が3年遅れた工事費の差は数百万円になります。一般社団法人スカイステージが受ける相談では、「報告がない」「提案がない」が多く聞かれます。

比較項目この記事の答えの要約
建物の点検外観・共用部を定期的に見て、年何回報告するかを確認する
報告の中身入出金だけでなく、建物の状態とクレーム内容があるか
修繕の提案直す・様子を見るの判断材料を出してくれるか
対応の速度設備故障や近隣トラブルの一次対応の担当と期限
空室対策募集条件やリフォームを根拠つきで提案してくれるか
委託料の差より、劣化発見の遅れによる工事費の差のほうが大きい、というのがこの記事の結論です。

空室があるマンションは34.0%、修繕積立金が計画に対して不足している管理組合は36.6%です。この環境では劣化を早く見つけて小さく直すことが収支の差になり、管理会社が建物を見ていないと、劣化の発覚は入居者からの雨漏り連絡か大規模修繕の直前まで遅れます。全国の空き家は900万2千戸、空き家率13.8%と過去最高です。

項目数値出典
賃貸住戸があるマンション77.8%国土交通省 令和5年度マンション総合調査(報道発表)
空室があるマンション34.0%同上
修繕積立金が計画に対して不足している管理組合36.6%同上
全国の空き家900万2千戸・空き家率13.8%(過去最高)総務省 令和5年住宅・土地統計調査(確報)
マンション総合調査は令和6年6月21日公表。空き家数は速報899万戸ではなく、確報の900万2千戸を採用しています。

空室が増え、修繕費が上がり、資材費・人件費の上昇で工事金額も上がっています。発見が遅れて大きく直すことになれば、積立金の不足がそのままオーナーの持ち出しになります。一般社団法人スカイステージは、ドローンと赤外線カメラによる外壁調査を通じて多くの賃貸物件を見てきました。その現場で繰り返し目にするのが、家賃の回収と入退去の手続きは回っているのに、建物そのものを誰も見ていないという状態です。

賃貸管理会社は、管理委託料以外に、建物の点検、報告の中身、修繕の提案、対応の速度、空室対策の5項目で比べます。とくに建物の定期点検と修繕の提案がある管理会社は多くありません。多くの管理会社にとって建物の劣化診断は専門外であり、「気づいたら報告します」以上のことができないのが実情です。

#比較項目確認する質問
①建物の点検建物の外観・共用部を定期的に見て、報告してくれますか。頻度は年何回ですか
②報告の中身入出金だけでなく、建物の状態やクレーム内容の報告はありますか
③修繕の提案劣化を見つけたとき、直す・様子を見るの判断材料を出してくれますか
④対応の速度設備故障や近隣トラブルの一次対応は誰がいつ行いますか
⑤空室対策募集条件の見直しやリフォーム提案を、根拠つきで出してくれますか
差が出るのは①点検と③修繕提案です。委託料の%だけを並べても、建物を見ているかは分かりません。

過去1年間で建物の状態についての報告がない、修繕の提案を受けたことがない、入居者からのクレームがオーナーに直接届く、空室が続いているのに賃料の値下げ以外の提案が出てこない、前回の大規模修繕から10年以上経過しているが話題に上がらない、のいずれかに当てはまる場合は比較検討する価値があります。

  • 過去1年間で、建物の状態についての報告を受けていない
  • 修繕の提案を受けたことがない、または見積を出されるだけで判断材料がない
  • 入居者からのクレームが、オーナーに直接届くようになっている
  • 空室が続いているが、賃料の値下げ以外の提案が出てこない
  • 前回の大規模修繕から10年以上が経過しているが、話題に上がったことがない

最後の項目は法令の観点でも重要です。建築基準法第12条に基づく定期報告では、平成20年国土交通省告示第282号により、竣工または外壁改修から10年を超え、かつ過去10年以内に全面打診等を行っていない場合、3年以内に外壁の全面打診等が必要とされています。報告の頻度や対象となる建物の範囲は、所在する特定行政庁(自治体)の指定により異なります。無人航空機による赤外線調査は、令和4年1月の同告示改正で、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有する方法として明確化されました。この論点を管理会社が一度も持ち出していないのであれば、建物を見ていないと考えたほうが自然です。詳しくは外壁落下とオーナーの法的責任をご覧ください。

賃貸管理会社を変更する手順は、①現在の管理委託契約の解約予告期間(3か月前が一般的)と引き継ぎ範囲の確認、②賃貸借契約書・入居者名簿・鍵・設備保証書・修繕履歴・定期報告控えの洗い出し、③建物の現状を第三者の目で記録する、④新しい管理会社と5項目の条件を契約書または覚書に落とす、⑤入居者へ送金先・連絡先の変更を通知する、の5段階です。

  1. 現在の管理委託契約を確認する — 解約予告期間(3か月前が一般的)と、原状の引き継ぎ範囲を確認します
  2. 引き継ぎ資料を洗い出す — 賃貸借契約書、入居者名簿、鍵、設備の保証書、過去の修繕履歴、定期報告の控え
  3. 建物の現状を第三者の目で記録する — 引き継ぎの前後で建物の状態を客観的に残しておくと、責任範囲の線引きが明確になります
  4. 新しい管理会社と条件を詰める — 委託料だけでなく、上記5項目を契約書または覚書に落とし込みます
  5. 入居者への通知 — 送金先や連絡先の変更を、余裕をもって案内します

3の「第三者の記録」は見落とされがちですが、引き継ぎ時の建物の状態が記録されていないと、後から見つかった劣化について前の管理会社と話ができなくなります。一般社団法人スカイステージのドローン赤外線外壁調査では、外壁全面の撮影画像と解析結果を報告書としてまとめます。費用は60万円〜89.6万円で、15階建2棟・約250世帯のマンションでは税込781,000円でした。管理会社の切り替えのタイミングは、建物の状態をリセットして記録する良い機会になります。

修繕積立金が計画に対して不足している管理組合は36.6%まで来ており、資材費と人件費の上昇が続いています。劣化を早期に発見して小さく直す体制を持っている物件と持っていない物件では、10年後の収支に明確な差が出ます。賃料を下げずに入居者に選ばれ続けるためにも、建物の状態を定期的に把握しておくことが、これからの賃貸経営の前提になります。

空室対策の観点は空室対策と建物の資産価値、全体像はマンションオーナーの建物管理ガイドにまとめています。

監修:一般社団法人スカイステージ 建物診断チーム(一級建築士・赤外線診断士・二等無人航空機操縦士在籍)

賃貸管理会社の選び方でよく聞かれるのは、比較の基準、変えるタイミング、変更手順、切り替え時の建物調査、点検を管理会社がしない場合の5点です。一般社団法人スカイステージの回答を以下にまとめます。

賃貸管理会社は何を基準に選べばよいですか?

一般社団法人スカイステージでは、管理委託料だけでなく、①建物の定期点検と報告の有無と頻度、②入出金以外の報告内容、③修繕提案の有無と判断材料、④設備故障・トラブルの一次対応、⑤根拠のある空室対策提案、の5項目を比較することをお勧めしています。とくに①と③に対応できる管理会社は多くありません。

管理会社を変えたほうがよいのはどんなときですか?

過去1年間で建物の状態についての報告がない、修繕の提案を受けたことがない、空室が続いているのに賃料の値下げ以外の提案が出てこない、前回の大規模修繕から10年以上経過しているが話題に上がらない、といった場合は比較検討する価値があります。

管理会社を変更する手順を教えてください。

①現在の管理委託契約の解約予告期間(3か月前が一般的)を確認、②賃貸借契約書・入居者名簿・鍵・修繕履歴などの引き継ぎ資料を洗い出す、③建物の現状を第三者の記録として残す、④新しい管理会社と契約条件を詰める、⑤入居者へ送金先・連絡先の変更を通知する、という流れになります。

管理会社の切り替え時に建物調査をする意味はありますか?

あります。引き継ぎ時点の建物の状態が記録されていないと、後から発見された劣化について前の管理会社と責任範囲の話ができなくなります。一般社団法人スカイステージのドローン赤外線外壁調査では、外壁全面の撮影画像と解析結果を報告書として残せます。費用は60万円〜89.6万円で、15階建2棟・約250世帯のマンションでは税込781,000円でした。

建物の点検を管理会社がしてくれない場合はどうすればよいですか?

建物の劣化診断は多くの管理会社にとって専門外です。一般社団法人スカイステージのような外壁調査の専門事業者に個別に依頼することで、管理会社を変えずに建物の現状把握だけを行うこともできます。

一般社団法人スカイステージでは、建物の状態から修繕の必要性を無料で確認できる建物診断シミュレーションをご用意しています。調査のご相談は建物診断ページからお問い合わせください。建物診断チーム(一級建築士・赤外線診断士・二等無人航空機操縦士在籍)が対応します。

お電話でのお問い合わせ:06-6914-4298(平日 9:00〜17:00)

マンション・ビル等の赤外線調査・外壁調査・修繕見積のご依頼は専用フォームから(担当が優先対応します)。

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